愛は面倒臭いなんてどの口が言う

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 幼稚園の頃から、何かあれば礼は苺オーレだった。  参観日にお母さんが来れなかった時、友達とケンカした時、テストの点が悪かった時。  礼は黙ってピンクの苺が印刷されたパックを買ってきて、寂しくちゅるちゅる飲んでいた。 「愛とか恋とか好きとか嫌いとかって面倒臭いね」 「面倒臭いからいいんじゃないの?」  ひゅう、とかすれた口笛を吹いて横顔のまま礼が笑う。 「愛は面倒臭いもの、か。なるほど」  納得したようにうなずいた後、首を傾げた。 「まさかと思うけど明日香、きみは恋愛愛経験値が高いのか」
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