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「動いた?」
「そりゃ動くさ」
当たり前のような顔をして礼が答える。
「生きているんだから」
「ただのプログラミングでしょ」
必死で言い返した声は少し震えていたかもしれない。
「僕の言葉や動作に反応するんだ。話しかけたり触れたりすることで孵化のスピードが速まるらしい」
話を聞いた時、は金持ち向けのハイテクノロジーを搭載した高級玩具のように思っていた。でもこれは。
明日香は後ずさり、嫌々をするように僅かに首を左右に揺らした。
「ウソよ、こんなの……」
新しい素材でできた、やわらかな成長型ロボット。
実際に見て触れたのに、実感はわかない。
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