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エレベータを降りて雑多な空気の街中に出る。
我こそはと目立つ看板の乱立する一貫性のない街並みを足早に歩く。
さっきまでいた場所とは違う世界みたいだ。
やはり住む世界が違うのだろうか。
礼の前にいると必要以上に背伸びをしている気がした。
ただそこにあるだけで、あんなに大事に思われるスピリットエッグが羨ましくて憎い。
私は試されているのだろうか?
でも何を?
わからない。
わからないけれど、ムカつく。
三回まわってワンとなけば愛がもらえるならどうするだろう。
きっと回ってなくだろう。
明日香の口元が歪み、笑いが漏れる。
馬鹿馬鹿しい。
どうしようもなく面倒臭い、どうにもならない、でも失いたくない。
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