第一章

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第一章

明日、俺は死ぬ。 長く付き合ってきた体だ。予感よりも確かな感覚を持って、朝起きたとき、俺は悟った。 「いつかは」 俺の人生、いつも思っていたことだった。 今はこんな生活をしているけど、いつかは俺も 高級車に乗って、いい女を抱いて、大きな家に住む… そんなことを思っていた。  自分の現状と理想がずれ始めたのはいつだったか。 中学を卒業するころまでは良かったと思う。 第一希望の県下有数の進学校に合格をした。 その時は俺も童貞だったが周りのみんなも彼女がいる人なんていなかった。  高校になれば彼女ができるだろうと思っていた。 だが結局自分は高校の間に彼女はできなかった。 授業の内容についていけず、周りは優秀な人間だったり努力するやつばかりで あっという間に落ちぶれてしまった。 だからなのか、自分を魅力的に見るような同級生はいなかった。 彼女さえいれば俺も勉強頑張るのに。 この学校に入らなければ彼女ができたのに。 そう思っていたがとんだ間違いだった。 それでも親と周りの環境に押し流されるように大学へ進学した。 大学も、高校と同じだった。 より勉強はむつかしくなり 出席に強制力がなくなり 周りは気の合う者同士で遊びに行くようになり 俺もバイトで小銭を稼ぐことを覚えてしまった 大学を中退し、アルバイトをしていた会社にそのまま正社員として入った。
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