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バリバリバリバリバリッッ。
それは空を無理やりこじ開けんばかりの轟音
であった。
驚いた男が慌てて外に出ると、すぐさまぶありと風が体を押し上げ、砂が巻き上った。男はたまらず腕で顔を覆う。腕の隙間。かろうじて目を開けると、それはもうそこにいた。
ーー悪魔だ。
男は絶望する。
目の前の、まさにそれ。それこそ男を楽園から放逐する悪魔であった。
そして男は悟る。
今日、この日。
遂に終わりが来てしまったのだと。
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