1人が本棚に入れています
本棚に追加
「だとしたら、これは代返しといてげないとヤバい案件かもと思って慌てて連絡したら案の定ですよ。時間無いのに急に謝ってきたりするから、もーって感じで。おかげで説明できなかったですけど」
「本当に助かったわ」
「授業内容も、ちゃんとまとめてますから」
「ありがとう」
「私がこんだけやったんですから、落としちゃヤですよ」
ぶっとい釘を打ち込まれた気分。
だが、それが今は嬉しくもある。
正直、体調も心なしか良くなってきている気がした。
我ながら単純だと呆れずにはいられない。
「ただまあ、ちゃんと謝ってくれたことについては褒めてあげます。偉いです」
「……そりゃどうも」
名護に褒めてげると言われたのが、妙に嬉しくて恥ずかしかった。
「だから、私の事ももっと褒めてください」
「名護の洞察力には本当に感服した。よっ、名探偵!!」
「えー、そんなぁ。照れますよぉ」
身をくねらせて照れている姿が容易に想像できた。
彼女もなかなかに単純なのだ。
褒めの応酬が始まる事を危惧し、俺は話を先に進める事にした。
最初のコメントを投稿しよう!