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この時、皮も一緒に煮ると赤い色がリンゴに身に移り、ローズピンクの色合いとなる。
リンゴはバラ科の植物だから、あながち無関係でもないのだろう。
見た目にもきれいで、しかも美味しそうだ。
藤井も好きな色だった。
三個のリンゴ全てと皮とを鍋に入れたら、最後にもう一度ハチミツとレモン汁とを回しかけて蓋をする。
これで煮リンゴの準備は終わった。
あとは二~三時間程置いて、リンゴの水分が出るのを待つ。
ただひたすらに、待つ。
砂糖の脱水作用で出てきたリンゴ自体の水分だけで煮るためだ。
リンゴを煮る際には水を使わないのが、藤井の調理法だ。
こうすると文字通り、味が『水っぽく』ならない。
カボチャの甘煮を作る際にも有効な技術だった。
その間に、安かったので多めに買い求めた鶏手羽元で水炊きとカレーを作る準備をしていく。
湯通しをした水炊き用の手羽元は水と酒と、そして塩を入れた土鍋に入れ煮る。
けして沸騰させないように、――沸騰しそうになったらすかさず弱火にして、火加減を保持。
グラグラと沸かしてしまうと、鶏の臭みが出てきてしまうためだ。
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