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「お久しぶりです。ブラネガさん」
同じく右手を差し出すニリーア。
ニリーアと握手をしながらも、ブラネガはやや真剣な表情となった。
「ニリーア。今回は、月の裏側のムーン・マイン・ベースでの共同開発プロジェクト参画に関わる最初のミーティングだが・・この1回目こそ重要になる!」
「・・・分かっています! ブラネガさん」
CEOとなって2年が経過したニリーアは少しは場数を踏んできたと見えたが・・・
「ニリーアCEO。皆さん揃っています・・どうぞ」
COO(Chief Operations Officer)であるセリテアが会議室の扉を開いてニリーアを招いた。
人間のように見えるセリテアだが、その身体はピコ・ウィルス・マシーンで構成されたヒューマロイドである。
ただし、完全複製されたその身体の元は人間だったのであるが・・・
「わかりました。セリテア」
未だにセリテアのことを頼りになるお姉さんだと感じているニリーアにとって、CEOと呼ばれることには大分違和感が残っていた。
ニリーアが先に会議室に入り、その後ろをセリテアとブラネガが続く。
会議室は薄紫で方形の部屋であったが、その中央に据え付けてある白銀色のテーブルは円形だった。
そのテーブルの一番奥の席に座る一人の少女の眼がニリーアの眼を捉えた。
「遅かったじゃないの? ニリーアCEO?」
ニリーアはハッとする───その少女は巨大企業レックロ・コーポレーションCEOの一人娘───ジルーナ・コーレン・レックロだった───
***
(あの眼だ! あの眼に、私は翻弄されたのだ!)
落ちていくニリーアの脳裏に、メデューサのようなジルーナのアメジスト色の光が煌めいた!
(?あ? あれは・・・!?)
ニリーアの下方の空間から白いスペーススーツの何者かが急速に近づいてくる───
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