序章 半妖天狗はごく普通の中学生男子なわけです

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序章 半妖天狗はごく普通の中学生男子なわけです

 冒険に出掛けるきっかけなんて、案外ごろごろと転がってるのかもしれない。  世の中、不思議ってあふれてるものなんだ。  だって俺自体が、普通の人間とはちょっとばかり違う。  内緒だけど俺、母ちゃんが天狗で父ちゃんが人間なわけ。  つまりは半妖って呼ばれる人間と妖怪のハーフさ。  実はあんまり妖怪の力は無いと思ってた。  天狗といえばみんな伝家秘宝の団扇を使ってさ暴風を巻き起こしたりすんのに、俺が出来るのは微風のみ。ははは……。  そんなカラス天狗と人間のハーフ、半妖の俺、風花流樹(かざはなりゅうぎ)が動乱の幕末時代のかくりよにタイムスリップしちまった!
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