卒業ロッカーデコレーション

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「先生に聞いたんだけどさ」 「え?」 「一年後、水瀬は俺と同じ大学に受験するの?」 「え……?」  西島先輩の言葉を聞いて一瞬間が空いてしまったが、私はゆっくりと頷く。 「はい。西島先輩と同じく政治学を学びに……」  顔があげられない。 「俺が言うのもなんだけど、結構難関だよ?」 「そうですよね。でも行きたいので」  以前に西島先輩は言っていた。『海外の大学に進んで色んな世界や人を知りたい。そしていつかは誰かの声になれるアナウンサーになりたい』と。  それは偶然だった。私も西島先輩と同じ志でアナウンサーの夢を持っていたのは、本当に。  ロッカーを半分こするようになって話し始めてから知った。  西島先輩の夢を聞いた夏の日、私は思っていた。  この先何があるのかは分からない。でも可能な限り、心から信用できるこの人の背中を追って行きたい、と。    だから大学は、西島先輩と同じがいい。
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