卒業ロッカーデコレーション

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「壁紙は青にするか」 「ロッカーに壁紙つけるんですね」 「うん、一気に変わるよ? あ、マスキングテープ買おう。小さな鏡とかつけちゃう?」 「はい」 「ペンたてとかホワイトボードもくっついてると嬉しいよね」 「できるんですか?」 「うん。両面の細長い磁石が売ってるからそれを貼ればできる」 「……凄い」 「本棚も入れる? スペース広くなったし」 「……そう、ですね」  『広くなった』に心が少しずきりとした。 「何かカスタマイズしたいのある?」 「カスタマイズ?」 「うん」 「……写真」 「写真?」 「あ、ロッカー扉の裏にクラスのみんなでとった写真とか……?」  こう言うときに二人きりの写真がいいとはなかなか言えない。 「ウッドクリップ買うか。他にも買おう」 「あ、西島先輩。お金は私が」 「俺が言い出したことだからいらない」 「でも……」 「大丈夫」  そうして買い出しが終わり、電車でまた学校まで戻る。門はすでに閉鎖されていたが先生に事情を伝えていたので、裏口のインターホンを押して、特別に教室に入れてもらった。  袋から出すのは私の役。  ロッカーに飾り付けるのは西島先輩の役。  西島先輩の飾りつけは一つ一つ丁寧な性格が出ていて、何一つ申し分がない。  買い出しも含めて二時間で、ロッカーデコは完成した。
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