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「西島先輩、素敵なロッカーデコをありがとうございます」
「もっと早く思いついてたらもう少し凝れたんだけど、もう時間がないみたい」
「……十分です」
何かを残してもらえるなんて思わなかったから。
「勉強頑張れよ、水瀬」
私の頭を撫でてくれた。私がはっとすると、西島先輩は柔らかく微笑み飛行機に乗るため、そっと教室を立ち去った。しばらくぼんやりする。そして当たり前のように後悔した。
痛いほどにやり直しはできないと分かっているから、私は生まれ変わったロッカーを見つめて今言えなかった気持ちを口にする。
「大好きです、西島先輩」
ロッカーデコ、とてもいいアイデアです。
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