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それ以来、授業の始まりと終わりに一緒に開けていたロッカー。最初は一つ上の西島先輩とロッカーを共有することに少しだけ緊張していたが、開け閉めする時に訪れる彼との会話が日に日に楽しみになっていた。
『次、移動授業で何いる?』
『宿題やった?』
西島先輩の使う教科書はいつも綺麗なままロッカーに入っている。
物を大切にする人は、人を大切にする。
どこかで聞いた名言が西島先輩にぴたりと当てはまる。
西島先輩がいつも身にまとう、柔軟剤のシトラスの香り。
優しくて芯のある声。
休憩時間や放課後、いつの間にか考えるようになった。
次、ロッカーを開ける時は何を話そう? とか。
何を話しかけてくれるだろう? とか。
端から見たら本当に小さな会話だけど、私は西島先輩との会話をとても大事にしていた。
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