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大人になった私のエピローグ
私は、幸と手を繋いでいる。
その反対側には小さくて可愛らしい手。ふわっと柔らかくて、甘くて、ちょっと目を離したらどっかにいっちゃいそうなやんちゃで愛しい大事な大事な小さな手。顔はちょっと幸に似ていて、髪質と性格は私似。できれば性格は優しくてあったかいパパに似て欲しかったけど、2人の子どもだから仕方がないね。
どうか私のように悲しい恋愛をしませんように、と願うけれどこの子の人生だ。経験豊富で優しくてかっこいい最高のパパがいつでもどんな時でも助けてくれるからきっと大丈夫だろう。私は恋に関しては手を貸せないけれど、誰よりも負けない思いで幸せになれますようにと願う力は誰にも負けない。
本心から告げる思いは、きっと大きな力となってくれるはずだから。
――私は、幸と想いを伝えあってから全てが初めてでどうしていいかわからなかった。
だけど幸はそんな私に「俺が全部教えてやるから」っていつも優しく頭を撫でてくれる。額に、頬に、髪に、時々……その、言葉を紡ぐ場所に、そっと口づけを落としてくれる。
幸のしてくれることは全部が全部初めてで私は戸惑うしかないのが申し訳なかった。どうしても、慣れることはできなくて私はいつも過剰に反応してしまう。赤くなったり、恥ずかしくてそっぽを向いたり、隠れたり、もう!と怒って近くにあるぬいぐるみを投げつけたり、小さく丸くなって顔を上げなくなったり。
だけど幸は、そんな私の反応を「いつも初々しい反応で超楽しい」と笑ってくれる。
本当に、どこまでも優しい。
私の大好きで愛しい人。
すごく幸せで、幸せになってもこんなに泣いてしまうんだと常々思う。幸せが溢れるたびに頬に何かが伝っていて、私はなんというか、精神年齢はきっとどこまでも子どもなんだろうなって。だけど、もう嘘の気持ちで偽ることはしない。する必要がなくなったのだ。
本当の自分で居ていい。
ありのままの自分でいて、本心を伝えれる私へと確かに成長したのだ。
大好き
もう、遠慮なく好きを口にしていいんだとわかって私は新しい家族に微笑む。
今までずっと嫌悪していたこの好きは、もう口にしていいんだね。
軽率に言ってもいいんだね。
いっぱいいっぱい言っていいんだね。
心の思うままにいっぱい告げていいんだね。
――小学生のあの頃
好きだの恋だのではしゃいでキャッキャと笑っていた子たちの幸せそうな笑顔の意味とか気持ちだとかが少しわかった気がした私は。今あるこの幸せを噛みしめながら、同じ失敗をしないよう大人になって成長し続けようと決めた。
好きの気持ちに嘘はつかない。
本当の想いが籠った好きは、ちゃんと口にしなきゃね。
だからこれからもどうか嘘をつかず、正直な好きの気持ちを伝えれる人になれますように。
生まれた小さな命にもこのことを伝えていけるよう、私は幸せな人生を歩んでいきたいと思う。
大好きな人たちへ、心からの大好きを。
この限りある人生に後悔がないように。
私は何度でも告げようと思います。
この気持ちがアナタに伝わるまで。
「君が大好き」
fin
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