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――……この一週間後。
私の誕生日の日。
未樹ちゃんと村上がカップルになったという知らせを聞いた。
未樹ちゃんが嬉しそうに報告する姿に「よかったね」と笑った私は嘘が上手になってたからいい笑顔を向けれていたと思う。
その日は未樹ちゃんの恋が叶ったお祝いを盛大にした。
「私にとって凄く素敵な誕生日プレゼントだ」
私のこの言葉に感動して泣いた未樹ちゃんの嬉しそうな様子はきっと一生の宝物だろう。
そうして幸せのおすそ分けを貰いながら帰宅した夜。
私は、日付が過ぎるまで泣いた。
もう村上は私に近づかなくなった。
前のように話してくれなくなった。
彼女である未樹ちゃんを大事にしたいから誤解を生むようなことはしたくないからと。私は快く受け入れて、未樹ちゃんを大事にしてねと最後の言葉を贈った。
嘘で塗り固めた言葉は、私の幸せを残してくれたけど何か大事なものがなくなった絶望感が押し寄せた。
――泣きすぎると息ができなくなるんだね
学校では笑っていた分、自分の部屋で声を上げて思いっきり泣いた私は知った。
”本当に人を好きになった時の気持ちを”
「好き……」
そう言えば、私はここまで苦しくならずにすんだだろうか。
本当の好きを君に伝えられただろうか。
でもそれで私は幸せになれたのだろうか。
もう、私には。
自分の感情の何もかもがわからなくなっていた。
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