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――6人ぐらいでの飲み会は楽しかった。
唯奈が用事があって参加できなかったのが残念だったけどそれは仕方がないと諦めた。幸が私に何か言いたそうに見ていたけどそれに応じる余裕も幸の顔を見る余裕も私は持ち合わせていなかったから、親しい人は誰もいない初めてだらけのメンバーでの飲み会だった。新鮮さと刺激がたっぷりの飲み会は楽しくて、私は場酔い、みたいな感じで梅酒のソーダ割り1杯だけでもうほろ酔いの気分だった。
「これも美味しいよ、よかったら飲んでみて」
そう言って差し出されたのは可愛いピンク色をしたカクテルだった。あまり飲んでいなかったのと初めてのカクテルに挑戦したい気持ちが勝ってしまった私は「ありがとうございます」と言葉を添えて美味しく頂いた。甘酸っぱい其れは、口の中で桜の香りが広がった。春をテーマにしたカクテルかな、と思ったけど途中で舌にピリっとした刺激があったがために詳しい味は分からなかった、でも、匂いは好きだった。色といい甘酸っぱさといい、まるで恋する乙女みたいなカクテルだ、と思いながら私は少し自嘲した。ある意味今の私にぴったりなのかもしれないと。
暫くして、私は妙な眠気が襲い始めることに気が付いた。
その眠気はいつしか電車に乗った心地よい眠気とは違っていささか強引さのある強制的なものを感じる眠気だった。このままではここで寝てしまうことになりそうだと感じた私は「すみません、もう遅いので帰りますね」と告げた。
帰りが遅くなるのも嫌だったし、あんまり遅くなりすぎると家にいる両親に心配されるから。
「じゃあ俺が送るよ」
そう言って名乗上げたのは恭哉さんだった。
ボーリングからそのまま一緒に来ていたので今いるメンバーの中では一番心を許している人だった。私は有難いと思い恭哉さんにお願いした。あまりまともに歩ける気がしなかったから。
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