中学生

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中学生

 麗とのことがあった後、私は男子と遊ばなくなった。  いや、正確に言えば誘っても皆に断られるようになってしまった、が正解だろう。口をそろえて言われたのは『お前は違うと思ってた』だった。私だってそう思ってたよ、と言い返したかったけど、必死に縋りつこうとすれば恋をする乙女たちの視線や小さな嫌がらせか何かが起きそうでそれも出来なかった。  ――そうして男子たちと疎遠になっていく私を麗たちは歓迎した。  麗としては罪悪感も大きかったんだろう。何度も謝られた。ごめんね、と。でもそれが逆に私の何かをえぐって傷つけた。何かは結局わからなかったけど、その頃から私は笑い方が変になってきていたと思う。  軽い気持ちでついた嘘による代償は私の想像以上に大きかったのだ。  そして、失ったらもう取り戻せない。  私は大好きだった輪にはもう入れなくなった。名残惜しさと悲しさを背負った私はどこかぼんやりすることが多かったと思う。だけどそれでも時間は過ぎていくし、前に進むしかなかった。だから私は振り返りながらもずるずると小学校を最後まで過ごして、春。  楽しかった全てを思い出として全て胸にしまって、中学生になった。
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