コラム3

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コラム3

ここでは、万引き対策に関する裏話を紹介してみます。 まず、万引き対策で一番効果があるのはなんだと思いますか? まず、防犯カメラにつきましては、その設置方法と利用方法がわかってないとほとんど効果がありません。信じられないかもしれませんが、万引き犯の中には防犯カメラの前で堂々と犯行におよぶ者は少なくないのです。 そのため、防犯カメラは使い方を知らないと全く意味をなさないといいますか、思った以上に役に立たないことになってしまいます。 では、次に多いのが防犯ミラーの類です。よく売り場の死角に置かれたりしてますが、効果については気休め程度ということになります。これも使い方がありますので、正しい使い方をしないと意味がありません。病気になった時の薬みたいな感じです。 次によく見るのが、万引きしたら警察に通報しますと書かれたポップです。これは、セールスお断りのポップ程度の意味しかありません。 ただし、注意してほしいのが補足で何か書かれていた場合の内容です。例えば、万引きした場合は全額弁償という内容だったり、対応にかかった費用をも請求すると書かれていた場合は注意が必要です。 全額弁償という内容の場合、当日捕まった分のみならず、過去に行った万引きについても弁償してもらいますという意味がある時があります。 実際、私が関わった事案では、防犯カメラに残る記録については全て弁償してもらっていました。 変な話ですが、万引き犯は捕まった時に大半の方が「初めてです」と弁明します。その度に、嘘つけ!と思うのですが、請求する金額を明らかにすると、ほとんどの方が青ざめます。過去に遡るとかなり高額になりますから、ゴネる方もでてきます。 とはいえ、弁償しないと事件は解決しません。泥棒にありがたい微罪処分の適用を受けられないため、渋々応じてもらっています(実際に万引きで不当に利益を受けているから渋々というのも変ですが)。 また、かかった費用については、店によって判断がまちまちでした。基本的に、警察に被害届を出すとなると、店長もしくは担当の責任者は長時間拘束されます。最近は警察官も気をつかってくれますが、下手したら半日は警察の相手に時間を取られます。しかも、すんなりいかない場合は何度も調査やらなんやらに時間を取られますので、正直仕事に支障が出るのは避けられません。 そのせいか、最初から被害届を出さないとしている店舗もあります。警察の事情聴取、防犯カメラの確認、被害品の特定といった一連の流れは、思った以上に面倒だからです。 その手間がかかった分も請求しますとしているところもあるようですが、私はやったことがないので詳しくはわかりません。 以上が代表的な万引き対策ですが、実は一番費用がかからずかつ効果的な万引き対策があります。 それは、『従業員による声かけ』です。 例えば、『いらっしゃいませ、なにかお探しですか?』とか、『なにかお困りですか?』といった声かけや、店内放送できるところは店内放送も意外と効果があります。 みなさんも一度は聞いたことありませんか?妙に暗号めいた店内放送を。 あれは単なる業務連絡ですが、実はこの放送を聞いて犯行をやめたという万引き犯もいました。また、店員に声をかけられて犯行を断念したなんて話は結構あります。 捕まえた万引き犯に話を聞くと、みな揃えて口にするのが「気づかれるのが嫌だ」ということです。要するに、暗号めいた店内放送が流れると、自分のことを言ってるのか? と思ったり、店員がわざわざ声をかけてくると、マークされてるのか? と思ったりするようです。 声かけのポイントは、必ず相手の目を見ることです。相手の目を見て「いらっしゃいませ」と声をかけるだけでも抑止力は違いますから、万引き対策を考えてはいるけど費用がないと思っている方は、ぜひ店員による声かけの抑止を利用してみてください。 また、最近は強盗など物騒な事件が多発していますから、防犯カメラといった防犯対策を考えている方も増えていると思います。 せっかくですから、いくつか防犯対策のポイントを紹介してみます。 まず、泥棒が入るか入らないかを決めるポイントに、犯行にかかる時間があります。どんなに防犯カメラや機械警備、ホームセキュリティをつけたとしても、侵入に時間がかからないと判断されたら、泥棒はセキュリティを無視して侵入してきます。ガラスを割って侵入し、盗んで出ていくのに二分もかからないのがザラなのです。 警備会社のセキュリティは、作動してから警備員や警察が来るのに間があります。その間に犯行できると判断されたら平気で侵入してきますので、セキュリティがあるといっても安心はできません。 逆に言えば、侵入に時間がかかるようにしたら泥棒も諦めますので、侵入経路になる窓ガラスに対策をしたり、ドアを二重ロックにするとか、できる限り手間がかかるようにした上でセキュリティをつけると効果的です。 次に、防犯カメラについてですが、ポイントは侵入経路はもちろんですが、逃走経路も映るようにしてください。よく室内しか映していないパターンがありますが、重要なのは泥棒の足をおさえることです。 事件のニュースでは犯行現場の映像が流れたりしますが、それだけで犯人が捕まるのは少ないです。犯行現場の映像は確かに必要ですが、それ以上に大切なのが、犯人の特定につながる情報で、その一つが犯人の足というわけです。 どこからどうやって来たのか、侵入経路と侵入方法はなにか、逃走方法と方向はどっちかという情報がわかれば、警察の捜査にとても役立ちます。 あまり詳しくは書けませんが、警察は事件があると町中の防犯カメラを調べて犯人の逃走ルートを絞り込みます。このとき、スタート地点の被害現場で逃走手段と方向がわかると、かなり絞り込みが楽になります。 そのため、屋外カメラはちょっとがんばってでも設置したほうが、泥棒も足がつくのを嫌がりますので対策効果も上がります。 ただ、注意してほしいのが、防犯カメラの位置とケーブルです。安易に手が届くとスプレーでやられたりケーブルを切られたりします(最近の泥棒や強盗はまず防犯カメラ対策をします)ので、その点も注意して設置したほうがいいです。 以上、簡単に防犯対策を紹介してみました。防犯対策のコツとしましては、とにかく相手の嫌がることをすることと、いざ被害にあった時により多くの情報を警察に提供できるようにすることです。 泥棒の被害現場の法則に、一度やられた場所はまたやられるというのがあります。なので、二度と被害にあわないためにも、防犯対策はしっかり行いつつ警察に確実に捕まえてもらえるようにしてみてください。
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