コラム1

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コラム1

万引きを扱っているとよく聞かれる内容をまとめてみました。 ①万引きはどのくらい捕まるの? これは正直なんともいえませんが、体感的には被害が発覚したら半数以上が捕まっています。 では、被害はどうやって発覚するのかですが、概ね売り場での在庫チェックや商品整理時に発覚することが多いです。 その時点ではいつ万引きされたのかはわかりませんので、防犯カメラで調べていくのですが、この時に商品が映っていれば数分で判明します。商品がなくなる瞬間を探せばいいだけですからね。 問題は、商品が棚に隠れているだとか、カメラから遠くてはっきりしないケースです。この場合ですと絞り込みに時間がかかります。方法は伏せますが、条件次第で犯人を割り出すことは可能です。 ②万引きする人はどんな人が多い? 昔と今は違いますが、今は圧倒的に年配者が多く、過半数以上を占めています。 次に多いのが、主婦の方や若い女性です。 男性の場合は転売目的の万引きが多いです。特にスポーツ用品のブランドものは、ネットのフリマに盗まれたその日に掲載されていたなんて話もありました。 圧倒的に減ったのは未成年の万引きです。ないわけではありませんが、昔と比べたら見かけなくなりました。 ③万引きGメンて大変? なるのは比較的簡単ですが、結果を出し続けるのは大変だと思います。一日売り場を徘徊する体力もいりますし、犯人をマークする時の集中力もいりますから、なりたい方は精神的なタフさを要求されることは覚悟してください。また、契約先によっては結果を求めるところと求めないところがありますので、結果を厳しく求めるところに配属されたら万引き犯を見つけないといけないというプレッシャーもあるようです。 ④万引き犯をどうやって見つけるの? 昔は万引き犯を見つける必殺技がありましたが、マイバックの普及によって使えなくなりました。体感的に、マイバックの普及によって万引きは増加した反面、認知されることが減ったと思います。ベテランの万引きGメンの方も、マイバックの普及でしんどくなったと嘆いてました。 万引き犯を見つける方法はいくつかありますが、これといって確立したものというよりは、長年の経験による違和感や勘を頼りにしているケースが多いです。見分けるポイントは先入観をなくすことだと思います。万引きしそうな人ほどしなくて、人畜無害な人ほど万引きしたりしますので、雰囲気に流されることなく見極めるのが一番だと思います。 ⑤万引きで警察に通報されるとどうなる? 初犯で一定金額以下、かつ素直に認めているなら微罪処分で終わりです。微罪処分とは、検察官に送致せずに警察官が処分を決めるという、泥棒にも忙しい警察にもありがたいものです。要するに弁償して終わりというもので、逮捕されることもありません。 ただし、抵抗したり逃走したり否認したりすると、逮捕の可能性が高まります。また、前科がある場合は送検される可能性が高くなります。 ちなみに、店員や万引きGメンに声をかけられ、抵抗して店員や万引きGメンをケガさせたりすると、これは事後強盗となって強盗と同じ扱いになります。私が扱った中では、高校生がパンを万引きして店員を押し倒して逃走した事件で、一発少年院行きというのがありました。他にも、主婦の方が同様の事件で逮捕されるケースもありました。 基本的には軽い扱いで、二度目はないからねと脅されるくらいです。ただ、失う社会的信用は大きいので、安易に手を出すべきでないことは他の犯罪と同じです。
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