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器量が悪く不細工だったオレはいつもその容姿をイジられていた。
「やーいっ、じゃがいもじゃがいも〜!」
付いたあだ名は“じゃがいも”だ。
そう呼ばれるのは悲しかったが、自分で鏡を見ても“じゃがいも”がピッタリだと思ってしまう。だから否定もできず、剽軽に振る舞いって笑いを取るしかなかった。
「そうだすっ、わたくすがじゃがいもダス!」
「アハハハ!」
担任の教師にすら笑われ、じゃがいもと呼ばれる始末。
しかしそれはあくまで“イジり”の範疇であり、決してイジメなどでは無かった。
なぜならオレは友達も多く、ユーモアのセンスもあった。自分で言っては何だがクラスの中心人物だった。それにはこのブサイクな顔も絡んでいるようで、友人曰く親しみやすい顔なんだとか。
そしてオレは“じゃがいも”なまま中学生になって、
「オイオイ押すなバカっ、マッシュポテトになっちまうだろうがー!」
「ギャハハハ腹がよじれるー!」
高校生になって、
「ホラホラッ、ムーンウォークだぞ」スイースイー
「ぎゃはははポテトが踊ってら~!!やべー息ができねー!」
大学生になった。
オレは意外と運動神経が良かったこともあり、小学ではバスケ、中学と高校では野球、そして大学ではダンスサークルに入った。
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