【じゃがいも、二人三脚、食レポ】

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「おっ、おわぁ〜……ッ!!?」  オレは目をハートにする。  新人歓迎会でオレはヴィーナスに出会った。  彼女はメロンちゃんと呼ばれていた。  整った顔。垢抜けた雰囲気に日本人離れしたスマートな体格。妖艶なダンスセンス。そして何よりも目を引くのはそのお(っぱい)だ。 「(メっ、メロンだ……甘熟メロンが胸に2つもくっついとるぞッ!!!! 夕張産か? ありゃあもはや兵器だ!)」  異性を好きになるポイントというのは、外見で言えばその者が持つコンプレックスに由来するという。  つまり、短足な人は足の長い人、鼻の低い人は鼻の高い人、首が短い人は首がスラッとしてる人、そして運動できない人は運動できる人に恋するパターンが多いそうだ。  オレのコンプレックスは自身の見た目だった。ボテッとした短足、短い手、卵のようにコロコロとしている寸胴な体格だが、顔や身体はゴツゴツしていてじゃがいもの様。  だからその真逆なメロンちゃんに一目惚れしたのだ。  そこからこのオレ、通称じゃがいもはメロンちゃんに猛アタック。  サークル中も、 「メロンちゃんメロンちゃんダンスの振り付け教えてくれや」 「オッケー」  サークルが終わったあとも、 「……」ポチポチポチ 《ダンス疲れたなー。ところでメロンちゃんは今何してるの?》 《フライドポテト食べてるよ(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)》  飲み会のときも、 「ハァ……ハァ……あ゛あ゛〜〜っ、オレは女の子は大切にするぞ!紳士じゃオレは!」 「ハイハイ、ゲロ全部出しちゃおうね〜」サスサス 「オ゛エ゛ぇ〜!!」ビシャビシャビシャ  一緒に遊びにも行った。 「近付くなバカっ、コラァ〜!」 「ジャガちゃんオバケ屋敷でオバケに喧嘩売ってるゥ」ケラケラ  そして大学2年の夏。 「メロンちゃんっ、好きです! 付き合ってください! 付き合ってくれェ〜!!!」  告白の返事は、
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