【じゃがいも、二人三脚、食レポ】

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「エ゛?」 「え?」 「いや、ムリなんですけど」  ガ━━━━━━━━━━━━ン!!!  鈍器で頭を殴られた感覚。  ドンドンドンっ、ドンッキぃ〜♪  そっちのドンキじゃねえわ!  ごほん、話を戻して。 「ガーン……なっ、なんで……なんでだい!?」 「ジャガちゃんの性格は好きだよ? 面白いし。けど付き合うのはちょっとムリかなぁ〜」 「どうしてもっ、駄目ッ、か!?」 「ムリ!」 「即答かいなんでやねん! 性格良いの分かってんだったらいいじゃん!」 「それとこれとは全然違う。チンパンジーと人間くらい違う」 「きっ、99%は同じ遺伝子だッ!!」 「その1%(イッパー)が大切なの! だってジャガちゃん、思った以上に見た目がじゃがいもなんだもん」  ドガ━━━━━━━━━━ン!!!  ヘビー級のパンチ炸裂。  オンギャア、オンギャア……ってそれはベビー級だろうが! 真面目にやれ! 「……。」  頭の中で行われる寸劇。 「ゴメンねジャガちゃん。これからも友だちでいよ?」  このオレじゃがいもの恋は見た目が100割超の原因で振られた。 「……。」  メロンちゃんも帰り、石段に腰掛けうなだれるオレ。  プーンと蚊が寄ってきて頬を刺す。  自身の頬をピシャンと強烈にビンタ。外してしまい、蚊はどこかへ飛んでいく。 「クッ! 寄るな寄るな吸血鬼が! ってオレによってくる女は蚊だけかい……」  はぁ、と溜め息。  そこへ現れる一人の青年。  「オウオウじゃがいも!」  そいつはオレの幼馴染。  いつもオレの隣で、オレの容姿をイジり、またオレがおどけるのを見て笑っていたヤツだ。  アダ名はバター。家庭科の授業で準備したバターを一人で食べてしまっまた事に由来する。
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