その名もミセス・マリーにはクッキーがお似合いです。

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その名もミセス・マリーにはクッキーがお似合いです。

 アリナさんとのクイズ大会が日課になった頃、何やらかわいい声が近づいてきました。  「おばあちゃーん!!!」と可愛い天使三人が病室に入ってきました。三人のお子さんを連れて娘さん登場。お孫さんに囲まれ、アリナさんのお顔がぱぁ~と華やいでにっこにこです。  私のベット周りにあるものを見つけて、「僕、これ好きー!僕はこれ!!」とクマのぬいぐるみと某ヒーロー番組の怪獣ぬいぐるみをぎゅーって抱きしめたり、見せ合いっこしたり、ちゃんと「触っていい?」と話かけてくる礼儀正しいお子さんです。アリナさんのお孫さんは二男一女で、長女ちゃんはまだ赤ちゃんです。子供が大好きな私にとって幸せな空間でした。    娘さんがそっと長女ちゃんを私に抱かせてくれました。微笑みかけるとニコッと笑いかけて、小さな手で私の人差し指を握ってくれた。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、再びアリナさんと二人きりになりました。2人ともちょっと寂しくのなったの言うまでもないです。  その日は突然やってきた!六人部屋に新たに気品漂うマダムが一緒になりました。その名もミス・マリーさんです。見とれてしまうくらいお綺麗で「ごきげんよう」と挨拶してくれて、私もアリナさんも思わず「ごきげんよう」と返事してしまった(笑)少しお話したら、私と同じ名前で仲良くなれたらいいなと思ったのです。アリナさんはずっとミス・マリーさんに「あなた、綺麗だね~羨ましいわ」と言ってました(笑)  翌日、新たに一緒になったのはクッキーさんです。なんでクッキーか、先にお話しすると退院する前夜に一人では食べきれない程のクッキー缶と果たし状のような達筆すぎるお手紙を貰ったからです。この方は後に「病は気から」という言葉の重みを知ったきっかけの方になります。  一気に活気が出てきた六人部屋。毎日毎日、お話三昧です。アリナさんも楽しそうにしています。クッキーさんが本当にお話が大好きで耳が聞こえづらいアリナさんを気遣いながらを語っています。私が止めるまでずっと話しているのは困りものです。  ミセス・マリーはGoing My Wayな感じで、クッキーさんのお話に混ざってみたり、TVを観たり、本読んだり、とご自身のペースで過ごしています。たまに、クッキーさんがしつこくお話かけると病室を出ていってしまいます。そんなおばあちゃん達に囲まれながら私も好きな事しつつも、何でも付き合ってしまうアリナさんを気にかけてました。  余談ですが、この日の朝から念願のパンが出るようになりました。長かったです。初めてのパンは「ミルクパンINマーマレードジャム」です。パンでこんな幸福感でいっぱいになるほど生きていることに有難みを噛み締めてパンを食べました。
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