デイルームデビューでえみさん達の仲間入り♪

1/1
前へ
/10ページ
次へ

デイルームデビューでえみさん達の仲間入り♪

 次の朝食はロールパンを味わい、一日のリハビリをこなした後の事です。私は隣の病室の方々とよく遊びに行ったりしてました。その中で一番仲良しの笑顔が素敵なえみさんに誘われ、デイルームデビューを果たしました!男女様々な方が各々テレビを見たり、本を読んだり、談笑したりと楽しんでおられます。  私は圧倒的に最年少(当時二十代)なので、皆さんは孫や娘のように接してくれました。そのまま楽しくてデイルームで夕食をたべ、消灯までえみさんやほかの皆さんとずっとお話していました。    何か視線を感じると自分の病室近くを見ると、アリナさんが混ざりたそうにしていたので手招きしたらフラれてしまいました(笑)  この頃の私は、車椅子からピックアップ歩行器で歩行練習し始めた頃です。ピックアップタイプの歩行器は自分の力で前に持ち上げなければなりません。とても疲れるんですよ。行動に制限は無いので、一階にある売店やリハビリテーションルームやデイルームへ行く時は車椅子で過ごします。トイレはピックアップ歩行器です。  この日のリハビリでは、作業療法士さんに支えてもらいながら杖やローラー付の歩行器を使ったり、手放しで歩いたりとこんなにも歩くのが怖いなと思った濃密な一日でした。実は、アリナさんのほうが先に進んでいて普通の体で動かすローラー付歩行器です。  えみさんは、私が大部屋に来てから見かけるたびに声をかけてくれ、いつもこっそりお菓子やジュースをくれます。隣の病室なので自然とそちらの皆さんともお話する機会が増えたのです。その度にお茶会が始まり、えみさんはいつも輪の中心で楽しそうにしているのがとても印象に残っています。この病室の皆さんは、えみさん以外がご自身の足で歩いています。    ある日の日曜日、えみさん以外の皆さんは一時帰宅しており、同じ病室になった事がありました。おしゃべりが大好きなえみさんは、私たちの病室でもすぐに意気投合です。何より混ざりたかったアリナさんが一番喜んでました(笑)夕食はデイルームで食べていつものメンバーで談笑をしました。この日の消灯時間直後のこと、えみさんの泣き声が聞こえたので周りの方を起こさないようにえみさんの元へ向かいました。  カーテンをそっと開けて、背中を優しく撫でながら「どうしたのですか?」と話しかけたら「ごめんなさい」と謝りながらもうすぐほかの病棟に行って、手術をしないといけないのが怖くてしかたなかったそうです。いつも素敵な笑顔がトレードマークのえみさん……いや、誰でも手術は怖いものです。私は見回りの看護師と交代するまでただそっと背中を撫でてあげました。話し方ひとつで、同じ言葉でも印象が変わるものだと……おっと、この話はもう少し先で語りたいと思います。  翌朝、えみさんはいつもの笑顔で挨拶してくれました。その日の昼にはうれしい光景が見れたのです!えみさんは杖の練習したばかりでしたが、病棟内の大回りコースを二周してました。すごいことです。何故なら私はピックアップ歩行器で小回りコースひたすらやってます。大回りは付き添いが必要です。私の病状は自分が感じていたより深刻なんだとおばあちゃん達の回復の早さを見て思うのでした。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加