Case 7-1:Please Please Me

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…… って意味じゃ、明治以降はいないな。の問題もあるし、そうやって生きて来たから。  恋ねぇ…… そうねぇ、最後にしたのは、いつだったかなぁ……」  そう呟いたっきり、剛は頬杖をついて車窓に目をやってしまったので。光もその答えを求めるのをやめる。  宇多津から乗った特急で1時間弱。光と剛は徳島県の山中にある街の駅に降り立ち、そしてその駅前からタクシーに乗る。  運転手に住所を記したメモを渡すと、少し驚いたような顔をしていたが。すぐにその住所をカーナビに入力し始めたので、行ってはもらえるようである。  しばらく山間(やまあい)の国道を走っていたタクシーが道を右に折れると。やがて両側を高い木立に囲まれた山道に突入する。  峠と思われる寂しいトンネルを抜けてもその景色がしばらく続くため、車内のカーナビが示す進路を見ながら不安になる光と剛。  こんな道の行き先に、本当に人が住む家などあるのだろうか……  やがて両側を覆っていた木立が開け、山の中腹に集落が見える牧歌的な景色が見えるようになり、ホッと胸を撫で下ろす。  どうやらカーナビが示しているのは、目の前に見える中腹の集落のようだ。  下り坂であった山道から側道にそれて、今度は中腹の集落に向けて坂を登り始めるタクシー。  やがて1軒の大きな家の前で停車する。どうやらそこがカーナビの示した先、本町ストアも参加している通販サイトの常連である客の家のようだ。  駅前のタクシーにしては長距離の上客だったのであろう。運転手はホクホク顔で今来た道を去って行く。  それを見送った後、さて。と光は改めて背負ったデイバッグに手をやり、住所と氏名が記されたメモを握りしめて農家風の大きな家の玄関に向かう。
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