2人が本棚に入れています
本棚に追加
いつしか、人と関わることが怖くなっていた。
「えー俺はそう思わないけど」
「絶対違うって」
「なんでその考えになるんですか?」
「普通じゃないよ、その考え」
自分の意見を言って、否定されて。それを繰り返すうちに、周りに合わせると
いうことを覚えた。
本心を押し隠し、“皆と同じ自分”を演じた。その結果、周りに人が増え、僕を
否定するものは誰もいなくなった。
――皆と同じことをいっているのだから、当たり前か。
毎日を演じて過ごしていた高校2年生の夏、彼女に出会った。
天真爛漫で、くるくる変わる表情。
でも、しっかり自分を持っている。
そんな彼女に惹かれるまでに、時間はかからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!