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4
柚は目を覚ました。
「ここは……?」
立ち上がろうとして立ち上がれず、前につんのめりそうになる。
柚は椅子の背もたれに縛られていた。
周りを見渡すとカウンターがあり、高級そうなお酒のボトルが並んでいる。オシャレなバーの店内だった。
「目を覚ましましたか」
オーナーの矢崎が店の奥から現れた。後ろにモヒカン男も従えている。
ここは矢崎が経営するバー『バタフライ』の店内だった。
「あなたたち!」
「失礼、あの公園では目立つのでね。店まで来て貰いました」
「運ぶの大変だったんだぞ」
「私を攫ってなにをしようって言うの?」
「聞きたいことがあるだけです。警察はどこまで知っているんですか?」
「知ってるって……」
ーーなにも知らない。
言いかけて柚はやめた。刑事と知って自分のことを攫ったのだから、こいつらはそれ相応の覚悟があるのだろう。何も知らないとバレたら殺される。
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