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「すまなかったな、無駄な捜査に付き合わせて。ペアは解消して他の奴と組め。課長の方には私の方から言っておく」
宇堂はぶっきらぼうにそう言って柚の脇を抜けていこうとする。
柚はそれを引き止めた。
「待ってくださいよ。たまには私の話も聞いてください。私はペアを解消するつもりはないですよ。それにいま新しいデータを添島さんに頼んでサイクロプスで解析して貰っているところです」
「なに? 新しいデータ?」
「このビルの監視カメラ映像ですよ」
ビルに入居している矢崎の会員制バーはその密室性を利用して、セレブ向けに違法薬物を提供していた。今後捜査は顧客にも伸びていく予定だ。その証拠固めのため、店に出入りしていた顧客を調べようとビル全体の防犯カメラ映像のデータも押収された。
「その映像を調べればサトウシンヤの殺害に関係した怪しい人物も出てくるかもしれません。あくまで私の勘ですが……」
「アナタの刑事の勘ってわけね」
「そうです。刑事歴3ヶ月の勘ですけど」
柚はそう言って宇堂と笑い合った。
だがすぐに表情を引き締めて柚は慎重な口調で宇堂に聞いた。
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