1243人が本棚に入れています
本棚に追加
今、そんな茶会を思い出しながら、アローナは言う。
「エンにはもっと似合いの人がいると思うのに。
あの駄目な兄がやっぱり好きらしいんです。
恋って不思議なものですよね。
私、好きな人が他の人に心を移すところなど見たくないし。
好きな人が他の人を娶るところも見たくありません。
でも、私はあなたが好きみたいなんです、ジン様。
あなただけが好きみたいなんです」
そう言い、アローナはジンを見上げた。
「誘拐されたり、娼館に叩き売られたり、無人島に流れ着いたりする、こんな私ですが。
一生、あなたの側にいてもいいですか?
あなたが他の妃を娶り、私を愛さなくなっても。
私、此処にいて、あなたを見つめていてもいいですか?」
最初のコメントを投稿しよう!