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私、毒婦なんです
兄たちが帰ったあと、ジンは一旦、フェルナンたちと何処かに行ってしまった。
「用事を済ませたら、行くからな」
とアローナに耳許でささやいたあとで。
いやいやっ。
そんなに忙しいのなら、来られなくて結構ですっ。
っていうか、まだ式、済んでませんしねっ。
我々は他人ですよっ、他人っ、
と思いながら、アローナは後ずさるようにして逃げ、部屋に戻ったが。
侍女たちが追いかけてくる。
「あっ、あのっ」
と怯えているうちに、すごい迫力の侍女たちに、身だしなみを整えられ、髪に王が好むという香りの強い薄紅色の花を飾られ、アローナは寝台に腰掛けさせられていた。
なんでしょう……。
先程までとは違い、逃げられなさそうなこの雰囲気。
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