私、毒婦なんです

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「……あんまりごちゃごちゃ言ってると、またよそに人質に出されるかもしれませんよ。  今度はもっとすごいヒヒジジイかもしれないですよ」 と脅され、ひっ、とアローナは息を呑む。  メディフィスとアッサンドラでは国の規模が違いすぎる。  花婿が変ろうとも、自分が人質花嫁であることには変わりない。  ひょいと何処かにやられる可能性もなきにしもあらずだ。 「まあ、今は王も楽しんでおられるようですから、いいですけどね。  王が本気で貴女を欲しいと思われたら、さっさと諦めてくださいよ」 と既にジンの姿のない廊下の向こうを見ながらフェルナンは言ってくる。 「ところで、フェルナン様は何故、そこにいらっしゃるのですか?」  警備なら、少し離れたところに衛士たちがいる。  わざわざフェルナンが此処に立っている理由がわからないのだが、と思い訊くと、 「フェルナンで結構です」 と言ったフェルナンは、 「私は貴女がちゃんと王のものとなったか、報告するために此処にいるんです」 と言い出した。
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