そして、また夜がやってきた

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「まあ、長い人生を共にするのだ。  初夜が数日遅れたからと言って、どうということもあるまい」  待って数日、という宣言にも聞こえるな、とアローナは思った。  でも、とジンを見上げる。  長い人生を共にする、か。  そう言い切られると、なんだかちょっと照れてしまうのだが……。  そうアローナが思ったとき、ジンが笑った。 「何故、笑うんです?」 と訊くと、ジンは、 「お前が笑ったからだ」 と言う。  笑いましたか? 今、私。  自覚はなかったのだが、ジンは微笑み、アローナを見つめてくる。
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