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ありがとうございます、と身振り手振りで伝えてみたが、今度も伝わったかはわからなかった。
ひとりで食べるのもな~と思い、半分ちぎって、アハトに渡そうとしたが、
「いや、いい。
食べなさい」
と言われる。
「新しい王は横暴な方ではないから、気に入れば、大事にしてもらえるかもしれないぞ。
まあ、王様という奴はなにを考えているかわからないものだからな。
いきなり殺されても恨むなよ」
と言うアハトに、
……いや、この菓子一個で、殺されても恨むなと言われても、とアローナは思う。
だが、最後まで美味しくいただいた。
それにしても、新しい王?
前の王様はどうしたのだろう、と思っている間に、白く美しい宮殿に着いた。
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