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「矢に毒を塗ったら、それも毒殺なんじゃないですかねーって言ったら、ですよねー、とシャナが気を良くして話し続けて、手を握ってきて。
それで、そのままちょっと話しながら歩いてただけなんですけど」
子どもの頃、エンと手をつないで遊んでいたときと、変わらない握り方だったので、特に振りほどかなかったのだ。
「そんなの理由にならないだろうが。
俺には手も握らせないのに」
「ジン様、手をつなぎたいなんておっしゃらないじゃないですか」
そうアローナが言うと、ジンは呑みかけていた酒をくいっと全部あおぎ、アローナを見つめて言ってきた。
「……つなぎたい」
そ、そうなのですか。
「つないでもいいか」
「……は、はい。
……どうぞ」
とアローナは言う。
そのまま横に座るジンの方は見ずに、真正面を見ていた。
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