1218人が本棚に入れています
本棚に追加
処刑すると言ったら、一瞬後には煙のように消えていそうなシャナに、
「そんな話ではない」
とジンは言った。
「実はお前を雇いたいんだ」
と打ち明けると、
「ほう。
どなたを殺すんですか?」
とちょっと嬉しそうに訊いてくる。
「いや、そうではなくて。
ちょっと困ったことがあってな。
父がアローナのことを聞きつけたようなのだ」
「ああ、前王ですか。
まだ生かしてたんですね」
と言われ、
いや、特に殺すつもりはないんだが……、と思いながら、
「アッサンドラのアローナ姫は、もともと私への貢ぎ物のはずだが、と父が言ってきたんだ」
と言い、ジンは眉をひそめた。
すると、すぐにシャナは、
「わかりました。
殺してまいります」
と言う。
いや、待て待て待て。
最初のコメントを投稿しよう!