今宵の演目はなんだ

13/35
前へ
/358ページ
次へ
「我が国は強くなりすぎた。  このままでは周囲の諸国が反発し、結託して、我が国に歯向かってくるかもしれん。  だからこれで良いのだ」 「そうですか。  まあ、前王は確かに困った方のようですね。  私ももともとはあの方を殺すのに雇われたので、いろいろ調べておりましたけれど。  残忍で色ボケで強欲に他国を取りに行く困った王様なのに、何処か憎めないところもある」 「……そここそがもっとも困ったところなのだ。  それでジン様も前王を殺すに殺せないし。  私を含め、周りの者も前王を殺せと進言しにくい」 「この城の皆さん、人がいいですよねえ」 とシャナは変に感心したように言ったあとで、 「まあ、とりあえず、潜入してきますよ」 と軽く言った。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1218人が本棚に入れています
本棚に追加