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「我が国は強くなりすぎた。
このままでは周囲の諸国が反発し、結託して、我が国に歯向かってくるかもしれん。
だからこれで良いのだ」
「そうですか。
まあ、前王は確かに困った方のようですね。
私ももともとはあの方を殺すのに雇われたので、いろいろ調べておりましたけれど。
残忍で色ボケで強欲に他国を取りに行く困った王様なのに、何処か憎めないところもある」
「……そここそがもっとも困ったところなのだ。
それでジン様も前王を殺すに殺せないし。
私を含め、周りの者も前王を殺せと進言しにくい」
「この城の皆さん、人がいいですよねえ」
とシャナは変に感心したように言ったあとで、
「まあ、とりあえず、潜入してきますよ」
と軽く言った。
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