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すると、このアハトという男も、旧体制側の人間で、若い王のご機嫌を取ろうとしてるとか?
そうアローナは推察する。
騎士は溜息をつき、
「まあ、では、一応、王にお伺いを立ててみますよ。
期待しないでくださいよ、アハト様。
美しいだけで心が動くような王ではないですから」
とアローナをチラと見て言う。
「まあ、この娘で気に入らなかったら、また次を連れてきますよ」
とアハトは笑い、
「懲りないですねえ」
と騎士に言われていた。
いやいやいや。
気に入らなかった場合、私は……っ?
王の慰み者になるのも嫌だけど、いきなり街中に放り出されても困るんですけどーと思っているうちに、王宮の一室に通された。
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