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フェルナンはジンの後ろで溜息をついている。
すべて白状させられたようだった。
「いや、それはちょっと」
意味がわからないので、とアローナは断った。
ジンとのことを相談しに行こうと思っているのに、ジンを連れて行くのはちょっと意味がわからないからだ。
そそくさとジンの許を逃げ出したとき、
「仕方ないですな」
と背後で声がした。
太く丸い柱の陰からアハトが現れる。
「供の者を探しておられたんですか。
仕方がない。
私がついて参りましょう。
お妃様になにごとかあっては困りますからな」
と言うアハトの目には、
私が王に紹介したお妃様になにごとかあってはっ。
アローナ様は、とりあえず、私のことを恨んではいないようだし。
今後、私になにか利益をもたらしてくれるかもしれない、そんなお妃様になにかあってはっ、
と書いてあった。
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