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「……シャナもいればよかったんだが。
あいつ、いなくていいときはいるくせに。
こういうときはいないからな」
「ご自分が前王のところにやったんじゃないですか」
と言うフェルナンに、
「そうなんだが。
雇いたくないときは雇え雇えとうるさいくせに、今だっ! ってときにはいないなと思って。
今なら、シャナが二人いたら、二人雇いたいところなんだが」
と言う。
「まあ、なんだかんだで大丈夫ですよ、アローナ様は。
だって、砂漠でさらわれて、娼館に売られたのに、ちゃんと目的地まで。
ジン様のところまでたどり着いた人ですから」
とフェルナンは笑ったが、ジンは、
いや、あいつの本来の目的地は、父のところなんだが……と思っていた。
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