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「下りて話してみなさいよ。
別に噛みつきゃしないわよ」
とエメリアは言ってくる。
「……あの、もしや、私に酒宴の相手をしろというのは」
「レオ様のに決まってるじゃないの。
店の女たち出して、なにかヘマでもしたら、無礼討ちにされるかもしれないからね。
あんただったら、息子の嫁じゃない。
殺したりはしないでしょ。
そんなことしたら、幽閉じゃすまなくなるし」
いや、何処も幽閉されてませんよね……と思いながら、上から見ていると、近くにいたアリアナに耳打ちされたレオは、張りのある声でアローナに呼びかけてきた。
「ほう。
お前がアローナか。
到着を今か今かと待っていたのに、ジンのものになってしまったようだな。
返却するようジンには言ったのだが」
私は本かなにかか……。
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