自らフリダシに戻ってみました

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「やさしすぎると家族も守れない。  そして、結果的に民も守れないこともある。  ジンは私に比べて温厚だということは、商人たちを通じて各国に広がっていくことだろうよ」  奴らの情報網はすごいからな、と言う。 「今だとばかりに反旗をひるがえして、上に立とうとする同盟国も出てくるやもしれぬ。  王は冷酷すぎるくらい冷酷でなければ。  そして、そういう噂が近隣諸国に(とどろ)くくらいでなければ、ほんとうの意味で国を守ることはできんのだ。  まあ、民はジンの方を支持しているようだが。  何処かの国に攻め込まれれば、いずれ考えも変わるだろう。  そもそも、私を殺していない時点で、ジンは甘い」 「そうかもしれませんが……。  私は、そんなジン様の方が好きですね」 「ほほう。  お前は、ジンにベタ惚れなわけだな」 「いっ、いえっ。  そういうわけではないのですがっ」 「レオ様」 とアハトがレオの前に進み出る。
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