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「私も別にジン様についたわけではありませんぞ。
心はいつもレオ様とともにあります」
あっ、チクリますよっ、とアローナはアハトを睨むが、アハトは知らん顔をしていた。
まだまだレオが勢いを盛り返す可能性もあると見て、媚を売ってみたのだろう。
「そうか。
わかった。
お前のその適当な忠誠心、一応、心には留めおくが。
ジンに言われて、のこのこ、こんなところまでジンの愛妻の警護をしてきているようではな」
「……では、アローナ様を此処に置いて帰ったら、わたくしの忠誠心を認めていただけるのですかな」
置いて帰る気かっ。
「ほう。
命じればやるか」
とレオは笑ったが、意外にもアハトは、
「……いいえ」
と言った。
「いいえ?」
とレオが訊き返す。
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