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「アハトがどうやら生娘のようだと言っていたが、本当なのか。
まあ、娼館にいたのだろうから、男を騙し、その気にさせる手練手管を仕込まれてはいるのだろうが」
……ご期待に添えなくてあれなんですけど。
私、娼館にいたのは、本当にわずかな時間だったんで、なにも仕込まれてないんですけど。
盗賊たちに娼館に連れてこられて。
金の受け渡しをするのをぼうっと見てて。
奥へ呼ばれて、粥をご馳走になり。
とりあえず、上の階へ行けと言われて行ったら、すぐにアハト様が現れて、買われて。
それで、今、此処にいるわけですから。
なにも仕込まれる暇なかったですよね~、と思ったとき、男は自己紹介をはじめた。
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