私の後宮に入れてやろう

1/3

1216人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ

私の後宮に入れてやろう

  「では、達者でな、アローナ。  もし、私が城に返り咲くまでお前がジンの後宮にいたら。  アッサンドラには送り返さず、私の後宮に入れてやろう」  そうアローナはレオに言われた。  いえいえ、結構です……。  っていうか、返り咲くおつもりなんですか? といささか不安になりながら、ははは……とアローナは笑ってごまかそうとする。 「そうだ。  もしも、お前がジンに飽きて、他の男の許に行きたくなったら。  今日の礼に、ジンの気がお前からそれるような良い女を見繕(みつくろ)って送ってやろう」  ……送らないでください。  私はジン様で間に合っています。  とジンよりもフェルナンが聞いたら、激怒しそうなことをアローナは思う。 「間に合ってますってなんですかっ」 と。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1216人が本棚に入れています
本棚に追加