私の後宮に入れてやろう

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「そういえば、私の後宮にも新しい女が参って、なかなか楽しいぞ。  実に上手くカーヌーンを弾く美しい女なのだが」  シャナだな。  シャナですね、とアハトと目を合わせて、アローナは頷き合う。 「……女のようで女ではないので、ま、手は出してはおらぬのだが」  さすが……。  バレバレのようですな、とまた目だけで会話する。 「私から見たらぬるい王だが、民や臣下はジンでよいのだろうな。  アハトももう私を王とは呼ばぬし」  アハトが言われて気づいたようで、ハッとしていた。  いつもご機嫌伺いに言っては、王よ、と話しかけていたのだろう。  そういえば、さっきから、レオ様と言っている。  アハトは弁解はせずに、黙って頭を下げていた。  レオはといえば、別に怒るでもなく、どうでも良さそうだった。  警護のものを引き連れ去っていくレオを見送っていると、アリアナが言ってくる。 「もう王室御用達と看板をかけるかね」 「や、やめてください……」  メディフィスの品位を疑われるので、とアローナは青くなる。
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