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「なんだい、あんたたちも帰る気かい?」
とこちらを見てエメリアが言ってきた。
「もうちょっと働いていきなよ。
アローナもアハト様も通訳とかできるだろ。
よその国の人間が来たときに助かるから」
「雰囲気で話せますけど、読み書きはあまりできないので」
「この私がそんなことしたら、国の名折れになるだろうが」
と二人で言ったあとで。
「……待ってください、アハト様。
私の場合、名折れにならないのですか」
とアローナはアハトを見る。
「いやいや。
アローナ様はまだ式もしておらぬので、メディフィスの王妃だとは誰も知らないからいいでしょうが」
それはそうですけどっ、と二人でまた揉めはじめた。
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