王の寝所に連れてこられました

5/8

1216人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ
「私の名はジンだ。    見たところ、異国の女のようだから、この国の事情はよく知らないかもしれないが。  国民が父王の悪政に耐えかねていたので、先日、私が父を追い落とし、王となったのだ。  父には王宮から出て隠居してもらっている」  そ、そうだったのですか……。 「娘よ。  名はなんという。  ああ、しゃべれぬのだったな」  アローナです。  ア・ロー・ナ、と口を大きく開けて教えようとするが、じっと見ていたジンは、 「わからぬ」 と言う。  いやいや、わかってください。  アローナはジンが注目してくれるように、おのれの唇を指差し、ア・ロー・ナと言おうとした。  だが、いきなりその唇を塞がれる。  そのまま寝台に押し倒された。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1216人が本棚に入れています
本棚に追加