娼館でなにか学んできたのか?

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 そうフェルナンは訊いたが、ジンは眉をひそめ、 「……お前、そこで見張ってたんじゃないのか」 と訊き返してくる。  中の様子を窺っていたのではないのかと言いたいようだ。 「いえいえ。  私、今日は、王がお逃げにならないよう見張ってただけなんで。  それでどうだったんです?」  うむ、と頷いたジンは嬉しそうに言ってきた。 「説得の甲斐(かい)あって、アローナは娼館から送られてきたあの衣装を身につけてくれたのだ」 「ほう、それで首尾良く事が運んだのですか?」 「いや、特に」 「……なんのために着せたのですか、王よ」  脱がせるために着せたのではなかったのですか、とフェルナンは訊いたが、 「アローナが着たところを見たかったから、着せてみただけだ。  朝、忙しいのに、なにもできるはずもあるまい」 とジンはしゃあしゃあと言う。
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