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「着せただけで満足なさったということですか?」
と些か呆れてフェルナンが問うと、
「いや、そんなわけないであろう。
私を甘くみるな」
とジンは反論してきた。
「着せて満足したのではない。
着て恥じらう姿が可愛かったので満足したのだ」
そう誇らしげにジンは言ってくる。
……なんという阿呆な夫婦だ、とフェルナンは思っていた。
口に出して言うのは不敬だとわかっていたが、その言葉は、もう喉許まで出かかっている。
慌てて咳払いし、フェルナンは出かけた言葉を追いやった。
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