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王子の癖に女遊びをしないから、一旦、本気になると歯止めがきかなくなるようだな。
もうちょっと遊んでればよかったのに……と内心、溜息をつきながら、アハトは言った。
「あの娼館は他の国にも娼婦を派遣しております。
また、砂漠の近くなので、旅人たちも寄る。
我が国に潜入している怪しげな輩もあそこで休み、休息をとっているやもしれませんな。
レオ様はあそこから様々な情報を仕入れていた節があります。
王の時代には、あんな堂々と遊びに行ったりはしていなかったようですが。
今回も、なにか不穏な情報を得られて、あそこに行かれたのかもしれません。
それか、あなたを追い落とすための情報を得に行ったのかも……」
この私がジン様に忠告する日が来るとは、と思いながらも、アハトは、そう言った。
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